【あるみづ】ある眠れないみづきの後日談

2006年11月21日

ダイナマイト

岩壁の端にマイクが一本立っています。
髪の毛を立てた男の人が、険しいお顔でそのマイクをにらみ付けています。
辺りは不思議と白いのです。
どこかのスタジオだと思いますか、でもそれだけは断じて違うのです。

よく観ますと、ようやくひとりの観客を見つけることが出来ました。
観客は、岩壁の端から垂らしてあるロープにぎりぎりのところでぶら下がっていました。
観客は言いました。
「あのマイクロフォンは、とても性能がよいマイクロフォンです。
あなたにそれを説明してあげましょうが、私自身もその説明を忘れてしまったのです」

男の人は、楽器のギターを持っていました。
私は彼のちょうど正面にいますので、
うまい具合にギターの先の方しか見えなくなりました。

観客はああして何時間もぶら下がっているはずですが、
なぜか疲れた様子はありません。
また観客は言いました。
「私は、電気の大学へ行っていたこともあるのです」
それよりもっと私が驚いたのは、なんとロープの色が緑色だったのです!

(本当は、とても速いんですよ。ここでは。)

私は不思議に思ったので、男の人の横に廻ってみることにしました。

いよいよ始まってしまったのです。
ついに始まりました。

男は、腰を右へ振りますならば、首を左に曲げましょうと考えているでしょう。
かまわずに私は横に廻るでしょう。
男は激しく前かがみになり、髪の毛がとてもおかしな具合でした。
左手の手首を一所懸命、前に出しました。

私は、うるさい音を聴きました。
聴いてしまいました。
もうこうなっては止められそうもありませんし、
ここでお弁当でも食ってやろうかと考えました。
そして、観客は落ちました。

投稿者 (こ) : 2006年11月21日 00:00 | トラックバック  | 0574 Web Site Ranking | Blog Rank7
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