【あるみづ】ある眠れないみづきの後日談

2007年09月23日

近能さん辞書 ep:4 それつまんね

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 突然だが忘れないうちに体験談を語るとしよう、取り急ぎYouの物真似で。

 朝起きると俺は山里隠れた鉱山で働いていた。
 それはまるで拷問のようであった。夜寝る時間さえ与えられない。四六時中女王アリに仕えるアリの様に・・・・・・

 今年で成人になるジェームスは大の勤勉として有名である。仕事を全くさぼろうとしない。
 鉱山で働く人口は70人にも及ぶのであるが、やはりこのような所にもいじめはあるようだ。
 仲間の内でも体力と力だけは右に出る者はいないといわれる、ボルネオは監視員の隙をみてはジェームスにちょっかいを出していた。他の者たちはボルネオには逆らえない事は承知したうえで見て見ない振りをする。なかにはボルネオに無理に指図を受けている者もいた。それでも、たまに監視員に見つかったりもする。しかし、ボルネオはうまくごまかしその場を切りぬけていた。
 やがて、夏が終わり秋も去り冬がやって来る。
 この鉱山の者たちはとても冬が好きであった。ジェームスも冬はとても好きであった。もちろんあのボルネオもそうであった。
 その理由はいたって単純なものであった。鉱山で働く者たちにとっての唯一の休みがこの冬に一日だけ与えられるのである。その休みの日はイエス・キリストの日、そうクリスマスである。この日はクリスマスパーティーも兼ねていて男たちはお気に入りの女の子を誘って、パーティーに参加することが暗黙の了解であった。その日に女の子が誘えなかった者はパーティーに参加することはとても気まずく一人の者は家でひっそり夜が開けるのを待った。

 もちろんジェームスにもお気に入りの女の子はいた。スージーという名前の子だ。ジェームスはこの日を何度待ち侘びたことだろう。やっと告白ができる。そう思っていた。
 しかし、運命とは皮肉なものであった。あのボルネオもスージーのことは気に入っているらしい、というのをお喋り好きのカルティーニから聞いた。ショックだった。その日は夜も眠れなかった。とても勝ち目がない。勝てる訳がない。そう何度も何度も心の中で鳴り響いた。ジェームスの唯一の友人であるカールに相談を持ち掛けたかったが、あいにくカールはクリスマスは国に帰ってしまってた。仕方なく行きつけのバーの店主、ダニエルにどうしたものかと話を聞いてもらおうとしたが、昨日から店主婦人のマキノと喧嘩をしているからそれどころじゃないかもねとポッコリーナに言われ、アンジェリーナも止めといたほうがいいと助言してきたのでそれは止した。ジェームスの兄のジャックにアドバイスをもらおうと、宿舎から1km近く離れたマーケット・バーバラまで走って電話をかけに行ったのだが、母マーガレットに兄はコートダジュールの親戚マスカレット氏の所だと聞かされ、さすがにそこまで電話をかけるのもどうかと思い父ジョンによろしくとだけ言い残し電話を切った。帰りがけ、バーバラでアルバイトをしているサンタナにチキン買っていってよと言われたが、宿舎のルームメイトのバッカスはベジタリアンだったのを思い出し一人では食べきれないから断った。いったいどうしたらいいのだろうか。思案に明け暮れながら宿舎へと歩いていると、駐在所のピーエルが町の酔っ払いダウに説教をしている最中でジェームスに気が付くと、窃盗団ダックスズがまた動きを始めたから君も気を付けなさいとよく分からないことを言ってきたが、そう言えばイイダがタカハシに似たようなことを話していたなと思い出した。タカハシと言えば、また日本のコシヒカリというのをを食べてみたい。あれはフランソワおばさんのパンプキン・パイに匹敵する美味さだ。ボブとワンダーに口利いてもらってまた頂きたいがポンプ氏が五月蝿そうだしトム坊やのことも気にかかる。それについてはチムも言っていたがあのチャンクは多分使えないだろう。マルのとこのポッパーニョも同様だ。どいつもこいつも……とその時、だしぬけに声が聞こえてきた。

それつまんね
「たしかに」
「えっ!」

 この声は何処から聞こえてきているのだろうか?
 ふと、思ったりもした。もしかしてイエス様の声なのだろうか?
「そんなはずはない」

 そして俺は今日も鉱山で働いていた。


投稿者 (こ) : 2007年09月23日 22:56 | トラックバック  | 0574 Web Site Ranking | Blog Rank7
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