[ 2007年11月 アーカイブ ]

僕らはウェイターが厨房に行くのを見送ってから話し始める。
「何だよ。今はもうファミレスも全面的に禁煙かよ」
「日本もいよいよスモーカーの肩身が狭くなるな」
「たばこの1本や2本でガタガタ抜かしてバカかホントに」
「まぁまぁ、そんなに熱くなさんな。別にたばこを吸いにきた訳じゃないんだからさ」
「たしかに…そうだけど」
気持ちを落ち着かせるためお冷やを一口飲んだ。
「あ〜あ、こんな時、喫煙店長がいたらな」
「ばかっ鈴木野、それはタブーだぞ!」
「えっ?」
「やばい、手遅れか?」
「あー手遅れだ」
「……」
「…どうだ、1本吸って気持ち落ちつかせろよ」
「サンキュ」
そして、僕らは注文はせずに店を出た。
彼は現れることはなかったが、まだ油断はできない。
ほんの一瞬の気持ちのゆるみから事故は起こるものだ。
父親からそう習った。
「なんか、いい気分だ」
「ああ、すがすがしい気分だ」
お互い少しぎこちない会話が続いた。
しかし、黙って過ごすより何かしらを口にしていなきゃいられない状況だったのだ。
あれから、3ヶ月。彼との友人関係は断絶した。
「今日もいい天気だ」
今日の降水確率は20%だった。
「ボーボーにするぞ。」
彼は困りました。
何故なら彼は相手に笑われてしまったからです。悪口を言って笑われたのは初めてです。
彼はあごの辺りをボーボーにしました。
何故ならそれがこの町の掟だからです。
彼は困りました。
何故なら彼は彼ではなく彼女だったからです。
「どうして、あごの辺りがボーボーになるの?」
「それは、僕には言えません……」
彼は卒業してから彼女に成りました。
何故ならもうこれからは普通の恋愛がしたいと思ったからです。